小学校のうちに知っておきたい故事成語の第43回は「杜撰」です。
杜撰
「杜撰」の読み方
ずさん
「杜撰」の意味
①著作で、典拠などが不確かで、いい加減なこと。
②物事の仕方がぞんざいで、手落ちが多いこと(広辞苑)
「杜撰」の使い方
神経質でありながら、案外ずさんなところのある彼は…(津村節子『さい果て』1964~71年)
「杜撰」の語源・由来
「杜撰」の語源・由来については、「語源由来辞典」の記事を引用紹介します。
杜撰の語源は、中国の『野客叢書』の説が有力とされる。
その説は、杜撰の「杜」は、中国宋の詩人 杜黙(ともく)を表し、「撰」は詩文を作ること。
杜黙の作った詩は、律(詩の様式)に合わないものが多かったという故事に由来するというものである。
この故事から、著述に誤りの多いことを「杜撰」と言うようになり、物事がいい加減で、誤りが多いことの意味でも使われるようになったといわれる。
その他、杜撰の語源には、杜撰の「杜」が本物でない仮の意味の俗語とする説や、杜黙以外の人名を表す説もある。
日本には禅を通じて「杜撰」の語が入ったとされ、古くは「ずざん(づざん)」と「さ」が濁音で発音されていた。
「杜撰」の蘊蓄
「杜撰」の類語
杜撰脱漏(ずさんだつろう)
ぞんざいで誤りや抜けが多いこと。整理されていず、いいかげんで、誤字脱字が多い著作や原稿の意味。
杜漏(ずろう)
(杜撰脱漏の意)粗略でぬけおちの多いこと。
疎漏(そろう)
おろそかで、手落ちのあること。ぬかり。手落ち。