教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 5月4日

5月4日 みどりの日

 

みどりの日」は、国民の祝日の1つです。

国民の祝日は、「国民の祝日に関する法律」に定められています。

 

国民の祝日に関する法律」は、昭和23(1948)年7月20日に施行されました。

みどりの日」は、平成元(1989)年2月17日の法改正により制定されました。

 

法律第五号(平元・二・一七)

  ◎国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律

 国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)の一部を次のように改正する。

 第二条天皇誕生日の項を次のように改める。

  みどりの日 四月二十九日  自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。

 第二条勤労感謝の日の項の次に次のように加える。

  天皇誕生日 十二月二十三日 天皇の誕生日を祝う。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

 

1989年1月7日に昭和天皇が亡くなられ、それに伴って天皇誕生日が平成天皇の誕生日(12月23日)に移行します。その際に、昭和天皇の誕生日を祝日として残す措置がとられました。それが「みどりの日」です。

 

なぜ「みどりの日」かということですが、「Wikipedia」に次のような記載があります。

 

みどりの日」は、小渕恵三官房長官の私的諮問機関で有識者らによる「皇位継承に伴う国民の祝日に関する法律改正に関する懇談会」で、「昭和天皇は植物に造詣が深く、自然をこよなく愛したことから『緑』にちなむ名がふさわしい」とする大勢の意見により定められた。ほかにも「科学の日」など昭和天皇の博識を頂く意見が多かった。

 

いずれにしても、昭和天皇と深く関係する祝日として制定されたことは確かなようです。

 

1989年に制定された「みどりの日」は、2005年(平成17年)の祝日法改正により2007年(平成19年)以降は、祝日に挟まれる平日で「国民の休日」であった5月4日へ移動し、4月29日は「昭和の日」となります。

 

国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律

法律第四十三号(平一七・五・二〇)

  ◎国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律

 国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)の一部を次のように改正する。

 第二条みどりの日の項を次のように改める。

  昭和の日 四月二十九日 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。

 第二条憲法記念日の項の次に次のように加える。

  みどりの日 五月四日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。

 第三条第二項中「あたるときは、その翌日」を「当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日」に改め、同条第三項中「日曜日にあたる日及び前項に規定する休日にあたる日を除く。」を「「国民の祝日」でない日に限る。」に改める。

   附 則

 この法律は、平成十九年一月一日から施行する。

 

4月29日を「昭和記念日」のようなものにしようという動きは当初からあったようです。それが「みどりの日」となったのは政治判断と言えるでしょう。

1999年に自公連立政権が誕生します。

2000年に改正法案が出されます。そして、2000年5月15日、森喜朗内閣総理大臣(当時)の「神の国発言」へとつながります。

神の国発言」というのは、神道政治連盟国会議員懇談会においてが行った挨拶の中に含まれていた「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知して戴く、そのために我々(=神政連関係議員)が頑張って来た」という発言をいいます。

そうした曲折があって、2005年の法改正となります。

 

「昭和の日」の誕生で、「みどりの日」は連休の隙間を埋めるための「国民の休日」であった5月4日に引っ越したわけです。

 

 

政治に翻弄された「みどりの日」の歴史はおとなの話。小学生の子どもに聞かせられるようなものではありません。

 

2007年より、4月15日から5月14日までを「みどりの月間」と定め、さまざまなイベントが行われています。以下、「林野庁」のHPより。

「みどりの月間」と緑の募金運動について(農林水産大臣談話)
  4月15日から5月14日までは、「みどりの月間」です。
  新緑がまぶしい季節を迎える中、この「みどりの月間」は、特に国民が「みどり」を意識しやすい時期でもあります。
  農林水産省といたしましては、多くの人々に身近な緑や森林に親しんでもらえるよう、この時期に「みどりの感謝祭」等の緑化行事を開催するとともに、「緑の募金でふせごう地球温暖化」をテーマに緑の募金運動を重点的に展開します。
  緑の募金は、国民の自発的な森林整備活動を推進するものであり、直接森林づくりに参加する機会がない方も、緑の募金運動に参加することによって森林を支えることができます。
  地球温暖化生物多様性などの環境問題が、人類共通の課題となっている今日、私たちの暮らしを支える、かけがえのない緑や森林を守り育てるため、緑の募金活動が全国各地で積極的に展開されることは、大変に意義深いものです。
  農林水産省といたしましても、緑や森林を守り育て緑豊かな国土の形成・保全に積極的に取り組んでいるところであり、多くの国民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

                         平成22年4月15日  
                      農林水産大臣  赤松  広隆

 

とにかく季候もいいし、緑のきれいな季節です。

純粋に「地球温暖化生物多様性などの環境問題」を考えるきっかけの日と位置づけるのがいいのではないでしょうか。