教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

きょうは何の日 8月31日

宿題の日(学べる喜びにきづく日)

 

「雑学ネタ帳」の記事より引用紹介します。

「全ての子供たちに教育の機会を提供する」ために世界中で活動をしているイギリスのチャリティー団体「A World At School」が、「#UpForSchool」キャンペーンの一環で制定。

日付は夏休みの終わりの日から。夏休みの宿題を終わらせるために必死で勉強をした思い出を持つ人が多い8月31日に、学べる喜びにきづいてもらうことで、「全ての子供たちに教育の機会を提供する」という大きな宿題を一緒に終わらせたいとの願いが込められている。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。

「#UpForSchool」について
世界中の1,000万人以上の人々が、「A World at School」運動によって組織され、2015年(平成27年)に国連総会の世界的な指導者に引き渡された「#UpForSchool」嘆願書に署名した。これは歴史上で最大の教育嘆願であり、全ての子供が質の高い教育を受ける権利があるという世界的な宣言である。

 

以前から夏休みの最終日が8月31日ではなかった地方がありました。冷涼な気候と、長期冬休みの確保によるものです。

それとは別に、授業時間の確保を主因として、夏休みを1週間から10日ほど短縮する傾向が見られます。

「宿題の日」も流動化が必要かもしれません。

 

ところで、「宿題」のそもそもは、「復習」ではなく「予習」だったようです。

「宿題」という言葉は江戸時代の文人大田南畝が手紙の中で使ったものが語源とされています。

 

山内尚助宛大田南畝書簡‐享和元年(1801)四月一九日
御詩会いかが。宿題御定め候はば一月一次づつにて豚児へ御談じ御極め可被成候


宿題の語源は詩の会のあらかじめ与えられた「お題」だったのです。

「精選版 日本国語大辞典」の「宿題」の項には、
① 前もって課題を与えて考えさせる問題。特に、詩会などで、前もって出しておく題。
② 学校で、予習・復習をかねて、家庭で行なうように生徒に課する学習作業。

とあります。

②の意味は、明治の学制以降に発生したようです。

 

Wikipedia」の指摘は辛辣です。

学力は各々の生徒によって異なっており、高学力を有する生徒には既に授業で習得した内容の反復であり新規性に乏しい上に学習効果が薄く低学力の生徒にとっては煩雑で難解な問題の正答が難しく宿題をする意欲が湧かず答えを丸写しして提出するなど宿題としての意味を成さないなどの問題がある。

とは言え、夏休みが終われば「宿題」は提出せねばなりません。

そんな宿題でいいのかどうか、それは先生の「宿題」ということで……。