7月2日(その1)
朝は6時半ごろにベッドを離れました。
24時間起きていた疲れも、時差の影響も、ほとんど感じません。
部屋の窓の下にはトラムが走っていて、タブロイド判の新聞を読んでいる人が見えます。少し遠くに目を遣れば、小高い丘の斜面に瀟洒な住宅が建っています。その何気ない風景に、ああ、ここはスイスなんだと実感しました。
ベルンはスイスの首都で、旧市街は1983年に世界文化遺産に登録されています。
私たちは、高台にあるバラ公園から湾曲して流れるアーレ川に囲まれた市街を見下ろし、その後に街中を散策しました。
朝の10時前だというのに、公園の温度計は35度を指しています。
ベルンのレストランで昼食を摂り、バスでシュピーツに移動。
ここからインターラーケンまで1時間のトゥーン湖クルーズです。
風爽やかにと行きたいところですが、とにかく陽射しを避けなきゃ焦げるように暑い。この暑さの異常さは、スイス旅行25回目のIさんが「経験したことがない」と言われる“お墨付き”ものです。
2階席の船尾近くのベンチに座ると、近くに日本人の女性が2人乗り合わせておられました。母娘のようです。話が旅行期間に及んだ時、「3ヶ月、スイスにいるんです。…」と、こともなげに仰るではありませんか。我らが10日間もチト長いと思っていたのですが、上には上があるものです。
我らが10日間のスイス旅行は、旅行記の冒頭で“プチマニアック”と書きましたが、同時に“プチブルジョア”でもあります。個人的には“プチマニアック”だけでいいと思っていたのですが、…。
クルーズ船の2階席というのは“1等席”で、爽やかな風を受けてアルプスの山々を望めたわけです(実際には酷暑に泣かされたけど)。
この“1等席”というのはその後の電車の席も然りで、おかげで実に快適な旅をさせていただきました。“プチブルジョア”は当然旅行費用に反映されており、よく似たコースのよくある8日間ツアーの2回分を下りません。庶民としては懐が痛いですが、“プチマニアック”を手に入れるための投資です。それでも添乗員さんはコスパの高いツアーだと言っておられましたから、多分そうなんでしょう。
クルーズ船はインターラーケン・ヴェスト(ヴェストは西駅のこと。ちなみに東駅はオスト)の前に停まり、私たちはそこからバスでラウターブルンネンに向かいました。
ちょっとバスのことを書いておきましょう。
1日、2日、4日、7・8日、9日と合計5台のバスを使いましたが、いずれも大型観光バスがやってきました。添乗員さんはいつも最前列に座っていましたが、8人のツアラーは思い思い好き勝手に座り、また移動しました。
【地図説明】
2日にトゥーン湖クルーズ(地図上の青線)をした後、インターラーケンからバスでラウターブルンネンへ(茶線)。そこから登山電車でクライネシャイデックまで上がって(緑線)ホテル泊。
3日は、登山電車でユングフラウヨッホまで行く(オレンジ線)。帰りは電車を1駅手前で降り、クライネシャイデックまでハイキング。夕方、登山電車でグリンデルワルトへ下って(黄緑線)ホテル泊。
4日の朝、バスでブリエンツ方向へ移動。