教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

それでも同僚には「先生」、生徒は「呼び捨て」ですか?

とある職員室での会話。

 

「○○先生、最近のA(生徒の名前、呼び捨て)どう思います?」

 

「ああ、◇◇先生も気になってるんか。B(生徒の名前、呼び捨て)も含めて、あいつらのグループを何とかしないとあかんな。」

 

なんとも尻の据わりが悪い。2月17日の「天声人語」である。

 

 最初に呼ばれたのは「記者さん」だった。初任地で警察署を担当したころの話である。新人だから名無しでも仕方ないか。めげずに毎日通っていると「朝日さん」になった。どの社の記者なのかが認識されたわけだ。ようやく名前を覚えられると、名字に「ちゃん」がついた▼35年前を思い出したのは、法務省が一昨日、受刑者らの新たな処遇を公表したからだ。刑務所や拘置所などに収容されているすべての人が、4月から「名字+さん」で呼ばれるという。一昨年に発覚した、名古屋刑務所の刑務官による暴行事件を受けた改革の一環だ▼事件後に設置された第三者委員会の調査によると、かつて番号で呼ばれた受刑者は戦後、呼び捨てが多くなった名古屋刑務所では、職員同士の雑談で「懲役」や「やつら」などと呼んでいたという▼相手をどう呼ぶかとは、その人とどう向き合うかだ。人権を無視した名古屋の職員の態度は「ストレス発散のための動機もあった」という。人間の更正を担う組織の深い闇を見た思いがする▼今回の改革では受刑者が刑務官を「先生」と呼ぶのも改め、「職員さん」や「担当さん」などになる。先生と呼んでいたこと自体が驚きだが、呼び方で上下関係が決まったり、強まったりすることはある▼江戸時代に「様」から転じた「さん」は、「君・ちゃん」と違って性別や年齢に左右されない敬称だ。「先生」と呼び合い、発言者を「君」で指名する国会の方々も、「さん」に統一してはいかがか。

 

刑務所と学校を同列に扱うつもりはありません。でも、「相手をどう呼ぶかとは、その人とどう向き合うかだ」という指摘は全くその通りだと思います。

 

私は、教員同士の呼び方について2度、子どもの呼び方について1度、記事を書いたことがあります。

yosh-k.hatenablog.com

yosh-k.hatenablog.com

yosh-k.hatenablog.com

 

この機会に自分自身と、自分の職場を見つめ直してみませんか。

再度、お聞きします。

それでも同僚には「先生」、生徒は「呼び捨て」ですか?