教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

難解、文科語。たとえば「生きる力」⑦

「生きる力」の今を読み解く

 

1998「生きる力」2008「生きる力」は、ほとんど真逆の方向性を持っていました。

それでは、2017「生きる力」はどちらの方向を目指しているのでしょうか。

 

「生きる力」の定義や構成要素からすると、1998「生きる力」2008「生きる力」2017「生きる力」と考えてよいと思います。

 

2008「生きる力」から2017「生きる力」への「変節」は、「生きる力」の中身ではなく、前提にその学び方(体的・対話的で深い学び)が加えられたことにあります。

 

体的・対話的で深い学び」とは何でしょう。

2016中教審答申から該当箇所を引用します。

体的な学び」の視点

学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。
子供自身が興味を持って積極的に取り組むとともに、学習活動を自ら振り返り意味付けたり、身に付いた資質・能力を自覚したり、共有したりすることが重要である。

対話的な学び」の視点

子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
身に付けた知識や技能を定着させるとともに、物事の多面的で深い理解に至るためには、多様な表現を通じて、教職員と子供や、子供同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる。

深い学び」の視点

習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。
子供たちが、各教科等の学びの過程の中で、身に付けた資質・能力の三つの柱を活用・発揮しながら物事を捉え思考することを通じて、資質・能力がさらに伸ばされたり、新たな資質・能力が育まれたりしていくことが重要である。教員はこの中で、教える場面と、子供たちに思考・判断・表現させる場面を効果的に設計し関連させながら指導していくことが求められる。

こうした「『主体的・対話的で深い学び』の視点に立った授業改善を行うことで、学校教育における質の高い学びを実現し、学習内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにする」のだと、文科省資料は述べています。

※「主体的・対話的で深い学び」については、2020年3月に「アクティブ・ラーニングはじまる 」「アクティブ・ラーニングに至る道① 1987年「臨教審答申」」「アクティブ・ラーニングに至る道② 新学力観・生活科」「アクティブ・ラーニングに至る道③ 生きる力・総合学習」「アクティブ・ラーニングに至る道④ 暗転・確かな学力」「アクティブ・ラーニングに至る道⑤ アクティブ・ラーニングへ」としてまとめています。ご参照ください。

 

体的・対話的で深い学び」という言葉自体が抽象的であり、2020年度からの授業実践でどう展開されているのかいまだ見えてきません。

しかし、その指向しているところは、1998「生きる力」の「自ら学び自ら考える力の育成」が目指したものとかなりの部分で重なる気がします。

 

ここで、日経連が1996年3月26日に発表した「創造的な人材の育成に向けて」と題する教育改革提言を再掲します。

これは、「新時代の『日本的経営』」実現のための教育提言です。

「新時代の『日本的経営』」の主旨は、終身雇用慣行、年功賃金制度という日本的経営の終焉です。具体的には、製造拠点は人件費の安い海外へ移し、国内に残った仕事は3つの階層に分けると書かれています。

(1) 長期能力蓄積型 → エリート社員 

(2 )高度専門能力活用型  →  専門能力のあるスペシャリスト

(3) 雇用柔軟型  →  非正規雇用

 つまり、均質で優秀な労働者を育てる教育から、「長期能力蓄積型」「高度専門能力活用型」といったエリートやスペシャリストを育てる教育への転換を求めているのです。

創造的な人材の育成に向けて
~求められる教育改革と企業の行動~

創造的な人材育成のための『5つの提言、7つのアクション』

 

2.創造的な人材の要件と望ましい人材育成システムの基本的方向

  1. 創造的な人材の要件

今後のわが国社会において求められる、創造的な人材とは、自己の責任の下に、主体的に行動する人材であり、こうした人々の能力を最大限伸ばすことができるような環境を整えていくことが求められる。さらに、独創性を持つ人材をいかに見いだし育成していくかも重要である。

  • 主体性

創造性の根本は、個人の主体性にある。これは、他者の定めた基準に頼らず、自分自身の目標・意思に基づいて、進むべき道を自ら選択して行動することである。

いろいろな問題への対応に際しても、知識として与えられた解決策を機械的に適用するのでなく、既存の知識にとらわれない自由な発想により自力で解決する能力が求められる。

  • 自己責任の観念

その一方、個人の自由で主体的な選択が、野放図とならずに、社会的意義、価値を持つものとするためには、個人一人ひとりが選択に伴う責任を引き受けることが必要である。選択とは、もう一つのものを捨て去ることであり、自己責任とはいくつかの選択肢の中から自分の判断で選びとることである。
個人が主体性と自己責任を確立することは、他者の主体性を尊重する社会性の涵養や、社会規範・倫理に関する意識を高めることにもつながる。

  • 独創性

それぞれの人材が持っている創造性を引き出すことに併せて、科学・技術や、芸術・文化などさまざまな分野で世界をリードできる高い独創性をもった人材を発掘、育成していくことも重要である。
各界で真に独創的で卓越した人材たりうるか否かは、潜在的な素質や才能に左右される面も大きいものと考えられる。そこで、このようなとくに優れた素質や才能を持った人材を早期に見出し、これを集中的に育成していくことも、今後の課題として求められる。

 

3.教育界などへの期待~教育改革の推進


創造的な人材育成のため、教育界・行政・家庭においては、

  • 教育機関の多様化、オープン化による多様な選択機会の確立、
  • 大学入試の改革、
  • 大学教育の充実、
  • 思考力と体験を重視した学校教育の推進、
  • ゆとりある教育環境の実現、
  • 優れた素質・才能を伸ばすための教育の試み、
  • 家庭の教育力の回復、
  • 子供に社会体験をさせる地域教育

 など、一層の改革に取り組むことを期待したい。



1.多様な進路選択の機会の確立


学生が自己に相応しい進路を自由に選択できるようにするために、教育機関の多様化・個性化を進めるとともに、開かれた大学の実現を図る。


 1.教育機関の多様化、個性化の推進


•従来のピラミッド型の学校序列など、教育機関の間の縦型の序列を改めて、多くの峰を持つような教育体系が構築され、学生が自らの意欲や目的、能力に合致した教育機関を選択できるようにする。
このため、とくに大学においては、カリキュラムの改革などを通じて、多様化、個性化を一層進展させる。
さらに、各大学が自己改革を柔軟に行えるよう、組織、予算、人事制度の弾力化を進める。


2.特色ある大学相互間の連携を強化するとともに、学生が途中で進路変更を容易に行えるようにするため、学生の編入枠、単位互換制度を一層拡充する。


3.高等学校における総合学科(生徒の学習の選択の幅を拡大するために設けられた従来の普通科専門学科の教育内容を併せ持つ第3の学科)や単位制(学年による教育課程の枠を設けず、決められた単位を修得すれば卒業を認める制度)は、授業内容や進路を柔軟に選択できる点で有効であり、こうした試みを一層拡大する。

 

 1.教育機関のオープン化~とくに開かれた大学の実現


•閉鎖的になりがちな教育機関にあっては、今後ますます外の社会との接点を拡大していくことが求められる。なかでも大学(大学院)は、生涯教育機能の幅広い提供、産業界などとの連携強化による研究・教育水準の向上、教員の意識改革などのため、内外の教育・研究機関や社会の他の分野との接点の拡大に努める。
これらを促進するために、教員採用方法を開かれたものとし、さまざまな経歴・経験を持つ人を広く受け入れていくとともに、大学間あるいは研究機関との間で、教員人事の流動性を一層高める。また、経済界との人材交流を一層活発に行う。


2.開かれた大学を実現していくためには、さまざまな人材を学生として受け入れることも必要であり、帰国子女や海外留学などのキャリアを持つ人材、ならびに、海外からの留学生の受入れを一層拡大する。さらに、社会人の受入れも拡大する。なお、これに関連して、専修学校や、各種学校とされる外国の教育機関を卒業した学生が、大学に入・転学しやすくなるよう、大学入学資格を弾力化する。

 

1.教育機関における評価の多様化、とくに大学入試の改革


特色を持った教育機関が自らに相応しい学生を適切に評価して受入れられるよう、学生のさまざまな能力や個性を多面的に評価することが求められる。
とりわけ、最終教育機関である大学における入試改革は急務である。これまでの大学入試のあり方は、1点を争うような競争を無制限に拡大させ、これがひいては、初等・中等段階において詰め込み教育を余儀なくさせているばかりでなく、たった1日の結果により学生の人生を大きく左右するなど、結果として、単線型でゆとりのない社会システムを形作る大きな要因となっている。
 近年、いくつかの先進的な大学においては、新しい選抜方法に取り組む動きが見られるが、今後、大学入試センター試験も含め、大学入試制度全体を大きく改革していくことが必要である。
 基本的な方向としては、知識の量を評価する試験だけに頼ることなく、大学の特性や学部・学科の教育内容に基づいて、学生の能力や個性を複眼的に評価するため、学力・知識の評価と、思考力や意欲などの評価を適切に組み合わせ、時間と手間をかけた選抜を行う。
 具体的には、例えば、現在のセンター試験は、高校までの学習成果・基礎学力などの有無を判断するための資格試験的なものとする。
また、各大学毎の選抜方法は、それぞれの大学・学部の特性に応じた試験(論文、面接、教育内容に相応しい学科試験など)や、多面的な評価に基づく推薦制度などによって、学生の思考力や表現力、関心、個性など、大学教育に必要とされる能力を幅広く評価できるものとする。
さらに、選抜機会・時期についても、期間の延長や機会の複数化、あるいは、選抜の通年化など、一層の多様化を進める。


1.大学教育の充実~入学後の教育の改善


大学入試に多大な精力が注がれる反面、大学入学後の学習が不十分という指摘は多い。

•そこで、卒業試験・論文の実施などにより、学生が入学後に充実した勉強に取り組むためのインセティブを与える。


2.また、学生の勉強内容の充実に資するため、米国の大学などでは一般的となっているシラバスの作成(各回の講義内容、使用図書などの授業計画を予め学生に示す)などにより授業方法を改善する。


3.授業内容・方法の改善のために、学生による授業評価制度を取り入れることも有効である。


4.さらに、一方通行的になりやすい講義を補い学生と教員のコミュニケーションを良くするために、決められた時間に教員が研究室などに居て、学生の質問を受け付けるオフィス・アワー制度の導入も検討に値する。

 

1.思考力と体験を重視した学校教育の推進

 

 1.考える力の涵養


自分で目標・課題を設定し、主体的に行動することのできる人間を育てていくために、初等・中等教育では、思考力と体験を重視した授業を行う必要がある。

•子供が自らの人格を形成し、主体的に人生を生きていくために必要となる知識や知恵、すなわち基礎・基本の教育を徹底するとともに、自ら考え、かつ、それを発表できる力を養う。


2.そのために、子供に一方向的に知識を与えるだけではなく、討論や、自由研究、フィールドワークなど、思考力と体験を重視した授業を取り入れる。
とくに、与えられた問題に対する解答を絶対のものと決めつけず、物事には多様な解答方法があることを教える。


3.身近な生活体験や活動を通して、社会や経済の仕組みを教え、子供に職業観を育てる。生きた経済社会の実情や仕組みを正しく理解させ、適正な職業観を育てるには、初等・中等教育など、人生の早い段階から取り組むことが望ましい。

 

 1.新しいリテラシー(外国語、コンピュータ)教育の拡充


従来の基本的学力(読み・書き・ソロバン)に加えて、新時代のリテラシーである、英語をはじめとする外国語やコンピュータ関連の教育を拡充する。こうした教育を、初等・中等教育の早い段階から積極的に取り入れていくことが不可欠である。


 1.必要となる制度改善


•カリキュラム編成の弾力化
 大学設置基準の「大綱化」により、高等教育段階においては、カリキュラムの改革が漸次進められているが、初等・中等教育段階においても、各学校・教員の自主的な判断により、授業内容の見直しや重点化を含めて、多様な教育を行えるように、カリキュラム編成の一層の弾力化を進める。


2.教材選択の弾力化・自由化
また、カリキュラム編成の弾力化と併せて、教材を選択する際にも、学校・教員や保護者の選択の幅が広がるよう、弾力化・自由化を進める。


3.教員資格の一層の弾力化
 子供に生きた社会を教えたり、科学技術に関心を持たせる、あるいは、先端的な情報機器の使い方を教える上で、企業人が役立つ機会は多い。また、外国人が教育界に積極的に入り込んで、語学だけでなく、外国の文化や社会を理解させることも望まれる。そこで、教員資格の一層の弾力化などにより、さまざまな人材を教育界に受け入れる。


4.学校選択の弾力化
 学校を活性化、個性化するとともに、子供・保護者の学校選択の幅を拡大するため、公立の小中学校においても、一定の範囲内で、子供・保護者が入学する学校を選択できるようにする。学校選択の幅が広がることは、いじめの問題の軽減にもつながるものと期待される。

 

1.ゆとりある教育環境の実現


最近の子供の生活を見ると、塾通いなどによって自由時間が失われ、生活リズムの乱れや慢性的な疲労、睡眠不足が見受けられる。また、遊びや野外活動など各種体験の不足も指摘されている。
 創造性や個性を伸ばすためには、物事に対して興味を持ち、自ら考えることが必要となるが、そのためにも、子供の生活にゆとりを取り戻すことが不可欠である。また、ゆとりある教育環境は、子供たちの豊かな人間性を涵養する場としても有効である。

•学校週5日制の推進
 学校や家庭、地域それぞれが役割分担と相互の連携に基づき、適切な教育を行うことが必要であり、こうした観点から学校週5日制を進める。


2.教員の安定採用
 思考力と体験を重視した授業を余裕をもって行えるようにするとともに、優秀な学生を教職に引きつけるためにも、教員を毎年安定して採用するよう努める。これにより、将来的には、1クラス20~30人程度の充実した授業が可能となるように工夫する。なお、これとも関連して、生徒数によりクラス人数に極端な変動がおこらないようにするために、教員定数の算定方法を柔軟化する。


3.中高一貫教育の拡大
 教育にゆとりをもたらす上で、いわゆる一貫教育によってカリキュラムを効率的に編成することは有効である。従来から、私立校ではさまざまな形の一貫教育が実践されてきたが、公立校においても、受験戦争を起こさぬ配慮を前提に、中高一貫教育の学校の整備を進める。なお、受験戦争の低年齢化を是正するために、一部の小中学校における特殊な入試訓練を受けなければならないような入学試験をなくしていく。

 

1.優れた素質・才能を伸ばすための教育の試み


世界をリードする真に独創的な人材を育てるには、従来の一律、平均的な教育に固執することなく、優れた素質・才能を早期に見出して、これを集中的に伸ばしていくための教育を試みる必要がある。

飛び級の実施拡大
 現在、高等教育段階で一部認められている飛び級を、高校などでも行えるようにすることや、大学入学にかかわる年齢制限を引下げて、優れた者には早期に大学入学を認めることなどが考えられる。


2.情報時代の到来に伴う教育の革新の可能性
これまで、学校教育においては、一人ひとりに合わせて、異なる教育プログラムを作ることは、膨大なコストがかかり、困難であると考えられてきたが、情報化時代の到来に伴い、教育方法にも大幅な変革が起こる可能性が出てきている。こうした環境を踏まえ、双方向メディアを活用して、一人ひとりに向けた適切なプログラムを作成し、子供・学生の素質を伸ばす。併せて、優れたソフトウェアの開発なども不可欠である。

 

1.家庭の教育力の回復


家庭教育については、父親と母親の適切な役割分担が重要であり、従来とかく関心が薄かった父親が家庭教育に積極的に参加することが必要である。少子化によって兄弟が少なくなっていることを考えても、家庭の団欒などを通じ、父親も含め家族のかかわり合いを増やしていくことは重要である。

•家庭においては、子供の教育を学校まかせにすることなく、家庭が主体的、積極的に関与していく。子供が資質、能力に応じた適切な進路選択を行えるための相談相手になったり、子供が自然現象や、社会現象に関心を持つきっかけを与えるよう努める。


2.また、例えば、子供を家事に参加させることなどにより、家族への帰属意識を高めるとともに、基本的生活習慣や社会性、倫理観などを養う。

 

1.子供に社会体験をさせる地域教育


•地域においては、子供に、学校以外のさまざまな社会体験をさせることを通じて、自由で主体的な行動に伴う自己責任の観念を植えつける。
そのためには、子供が親と離れて、ボランティアやボーイスカウトなど、地域の集団活動に積極的に参加できるようにする。


2.また、自然の中にひたり、畏敬の念を味わうことや、体全体を使って活動する体験の機会を増やす。

 

「英語」「プログラミング」は、2017学習指導要領に取り入れられました。

中高一貫教育」「高等学校における総合学科」も進行中です。

「創造的な人材育成のための『5つの提言、7つのアクション』」に掲げられた多くが、いま現実のものとなってきています。

 

そう考えると、1998「生きる力」の「自ら学び自ら考える力の育成」も「体的・対話的で深い学び」も、「創造的な人材育成のための『5つの提言、7つのアクション』」の同じ文脈で読めてきます。

 

学習指導要領改訂のサイクルよりも少し長いスパンで俯瞰した時、日本の教育は「創造的な人材育成のための『5つの提言、7つのアクション』」を重要な海図にして進んでいるように見えます。

その方向が子どもの幸福につながるのかどうかは、別途検証が必要でしょう。

 

どの国においても、いずれの時代においても、その時々の教育政策はその時々の経済のありようと切り離して考えることはできません。

均質で優秀な労働者を育てる教育から、「長期能力蓄積型」「高度専門能力活用型」といったエリートやスペシャリストを育てる教育への転換という時代の要請の中で、1998「生きる力」自ら学び自ら考える力の育成)は誕生しました。 

多少の揺れやブレはあっても、経済を取り巻く状況が変わらない限り、幹の部分の流れは維持されるでしょう。

 

 

今回の私のテーマは、難解な文科省用語をどのように読むかということでした。それは職業人としての芯と、仕事に対する誇りのために欠かせないことだと思うからです。

取り上げた「生きる力」は、その一例に過ぎません。

 

難解な文科省用語を読み解くというのは、社会の大きな流れの中における今を俯瞰するマクロの視点と、直接の背景となる審議会や政治の精査というミクロの視点をあわせて意味づけていくことだと、私は思っています。