教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

生活を綴る④

■計画的な綴り方(作文)指導■ 「計画的な指導」とは、本来的には、国語科の年間指導計画に位置づけて行う作文指導のことである。 私は、『現代つづりかたの伝統と創造』(国分一太郎 1982年)と『日記指導と生活綴方』(橋本誠一 1979年)から多くのことを学んだ。…

生活を綴る③

■常日ごろの綴り方(日記)指導■ 「綴る」という学習は、「常日ごろの指導」と「計画的な指導」に分かれる。このうち、「常日ごろの指導」は、日記指導と学級通信(一枚文集)をセットにして取り組むのが一般的である。 日記指導をこのように (1988.4) ■なぜ日記…

生活を綴る②

■生活綴り方の伝統に学ぶ■② 生活綴り方の伝統 前回の続編になります。 次に紹介する文章は、国分一太郎さんの著作と思われるのですが、出典の記載を漏らしていて確認できていません。 生活綴り方教育の実践者が伝統的に大事にしてきたこと 生活綴り方の実践…

生活を綴る①

生活綴り方などと言うと、国語教育の範疇と思われるかもしれません。私にとっての生活綴り方は、学級通信とともに児童理解や学級集団づくりの重要なアイテムでした。「学級通信」や「生活綴り方」を「学級経営・集団づくり」のカテゴリーで取り上げているの…

学級通信、このよきもの③

1986年、教師になって9年目に同じ学年を担当する若い同僚に向けて出した通信に連載した「学級通信、このよきもの」の一部を紹介しています。その第3回。 教師もまた労働者です。ですから、“教育のため”、“子どものため”という美名のもとに、無制限に働くな…

学級通信、このよきもの②

1986年、教師になって9年目に同じ学年を担当する若い同僚に向けて出した通信に連載した「学級通信、このよきもの」の一部を紹介しています。その第2回。 学級通信が学級経営の生命線であるというのはどういうことかという問題について考えてみたいと思いま…

学級通信、このよきもの①

「学級通信は誰に向けて、何のために」(2020.3.5)の続編になります。 学級通信、このよきもの 1986年、教師になって9年目に同じ学年を担当する若い同僚に向けて通信を出していました。その中に、「学級通信、このよきもの」という連載があります。ここに…

保護者とは子育て協働の関係でありたい⑦

シリーズの最終回です。 学級通信の「おうちの方へ特集号」では、教室の授業風景もしばしば届けました。教室の学びを知ってもらうことは、保護者が他所さまの子も含めて子どもを深く知る機会にもなりますし、どんな教育を目指しているのかといったことに触れ…

保護者とは子育て協働の関係でありたい⑥

2010年から2014年までの5年間に保護者に届けたメッセージを各年1つずつ紹介します。 この5年間が私の最後の勤務校となりました。 おうちの方へ特集号 2010.7.12 夏休みを自律と自立の機会に ■打たれ強い子どもに育てたい 間もなく1学期が終わります。振…

保護者とは子育て協働の関係でありたい⑤

今回は、2009年の記録です。 このクラスは前年度のほぼ1年間にわたり学級崩壊が続きました。詳細は、「尾木ママに学んだ学級崩壊」②及び③に掲載しています。 学級崩壊からの規律回復と学力回復をめざして、保護者に届けたメッセージです。 おうちの方へ特集…

保護者とは子育て協働の関係でありたい④

保護者へのメッセージ、2007・2008年の記録です。 おうちの方へ特集号 2007.5.14 「見守る教育」とは 5月9日 チェック&アタック YS 私は、家でチェック&アタックをやっている。毎週火曜日に、○○先生という先生から電話がかかってくる。学校で何をして…

保護者とは子育て協働の関係でありたい③

教室の学びを確かなものにするには、家庭での支えが欠かせません。しかしそれは、教師と保護者が目標を共有できていなければ、実りは望めません。 今回は2005年の記録です。 おうちの方へ特集号 2005.4.22 子は親の鏡 ドロシー・ロー・ノルト けなされて育つ…

保護者とは子育て協働の関係でありたい②

2005年、6年生のクラスで保護者に届けたメッセージを紹介します。 この年の6月1日、長崎県・佐世保市に住む小学6年の少女がナイフで同級生を刺し殺すというショッキングな事件が起きました。 その後、「いのち」をテーマにした発信を続けました。 おうち…

保護者とは子育て協働の関係でありたい

学校と保護者の関係をいうとき、子育ての「協働」や「パートナー」などの言葉が使われます。 「協働」も「パートナー」も、学校と保護者の関係は対等で、子育てという同じ目標に向かって主体的に役割を果たす関係でなければなりません。 「言うは易く行うは…

地域連携はネットワークとフットワークで

前回の「校種間連携」につづいて、今回は「地域連携」を取り上げます。 もう一度、辞書によって言葉の意味を確認しておきましょう。 協力…力を合わせて事にあたること。(デジタル大辞泉) 連携…互いに連絡をとり協力して物事を行うこと。(デジタル大辞泉) 連…

校種間「連携」を問う

前稿で保幼小連携に触れましたので、この機会に学校とそれを取り巻く人たちとの繋がりについて考えたいと思います。 今回は、同じ中学校区の校園所との繋がり、つまり「校種間連携」についてです。その中で小学校と中学校の繋がりが「小中連携」、小学校と幼…

話しことばから書きことばへ ~保幼小連携のキモ~

今年度は、コロナ休校の影響で特別なスタートになりました。 6月に入ってから入学式を行なった学校もあったようですが、多く4月初めに入学式だけ済ませたようです。 休校中、学習プリントが配られました。それは1年生も例外ではなく、その中にはひらがな練…

学校再開の中心に子どもがいますか? …第101投稿

ブログ開設から4カ月余り。昨日、投稿数が100に達しました。今回は「101番目の投稿」になります。 コロナ禍休校から3カ月。6月1日にやっと学校が再開しました。 気がかりなことがあります。 1つは、3カ月間も一斉に学校を休むという未曾有の体験が子ど…

人権教育のカリキュラムを創る⑦

人権教育のカリキュラムを創る 第1章 人権教育のカリキュラムづくりにあたって1.人権教育の概念 (1)人権教育とは (2)同和教育を人権教育として再構築する 以上①で紹介2.人権教育の構想 (1)同和教育が拓いた地平と残した課題 (2)人権教育の「本体」と「…

人権教育のカリキュラムを創る⑥

人権教育のカリキュラムを創る 第1章 人権教育のカリキュラムづくりにあたって1.人権教育の概念 (1)人権教育とは (2)同和教育を人権教育として再構築する 以上①で紹介2.人権教育の構想 (1)同和教育が拓いた地平と残した課題 (2)人権教育の「本体」と「…

人権教育のカリキュラムを創る⑤

人権教育のカリキュラムを創る 第1章 人権教育のカリキュラムづくりにあたって1.人権教育の概念 (1)人権教育とは (2)同和教育を人権教育として再構築する 以上①で紹介2.人権教育の構想 (1)同和教育が拓いた地平と残した課題 (2)人権教育の「本体」と「…

人権教育のカリキュラムを創る④

人権教育のカリキュラムを創る 第1章 人権教育のカリキュラムづくりにあたって1.人権教育の概念 (1)人権教育とは (2)同和教育を人権教育として再構築する 以上①で紹介2.人権教育の構想 (1)同和教育が拓いた地平と残した課題 (2)人権教育の「本体」と「…