教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

閑話休題

退職後を生きる(その6) 年金の未来予想図   

年金の未来予想図 2019年、厚生労働省から財政検証結果が公表されました。 今回は、それをもとに年金の将来見通しを検証します。 【前提条件】 ■ 年金保険料は、現在の水準を維持する。 ■ 年金給付額は、マクロ経済スライドで調整する。 (詳細は、前回の記…

退職後を生きる(その5) 年金のこれから 

年金のこれから 年金の将来が明るくないことは、超高齢化と超少子化が同時進行する日本社会においては自明の理。 何もしなければ破綻は目に見えています。それを何とかするための方策が、2004年の年金法の改正です。政府は「100年大丈夫な制度」と胸を張り、…

退職後を生きる(その4と5の隙間) 年金はペンション 

年金はペンション 今回は、「閑話休題」の「閑話休題」、年金の蘊蓄です。 「日本年金機構」の英語表記を見ると、「Japan Pension Service」となっています。「年金」=「pension」です。 「pension」は、カタカナ表記すると「ペンション…

退職後を生きる(その4) 年金生活のいま② 

年金生活のいま② 所得代替率61.7% 「所得代替率」というのは、公的年金の受取額がどの程度の水準にあるかを示す指標です。 年金生活の現状をする上で、さらには年金のこれからを考える上でも、カギになる言葉であり数字です。詳しく解説します。 「所得…

退職後を生きる(その3) 年金生活のいま① 

年金生活のいま① 退職後は、自分の時間を楽しみたいものです。 しかし、60歳であれ、65歳であれ、70歳であれ、仕事を辞めればやがては収入が途絶えます。 できるだけお金をかけず楽しむ努力が必要です。消費生活のある程度の縮小も必要です。それらは当然の…

退職後を生きる(その2) 退職の家計簿

退職の家計簿 定年まで働いて、あとは年金生活……1970年代の終わりに職に就いた私は、漠然とそう思っていました。 私自身も含めて、教師にはお金に疎い人が多いです。給料の「明細書」をちゃんと読めない人だっていっぱいいます。どれほどの税金を払い、どれ…

退職後を生きる(その1) 仕事を辞めるということ

仕事を辞めるということ 仕事を辞めるとどうなるか。 世界が変わります。 考えてみれば、保育所に行くようになった4歳のときから肩書きのない人生というのはありません。 4歳の「○○保育所 何某」から始まって、「○○大学 何某」という通学先が肩書きの人生…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑭

北海道キャンプ旅行 出発から15日目 1991年8月8日(木) 浅い眠りの一夜が明けた。船の揺れが相当激しい。娘と妻はすっかり気分が悪くなってしまった。どうしたものか息子だけは至って元気で、朝食にと買っておいたパンを平気で食べていた。外は雨降…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑬

北海道キャンプ旅行 出発から14日目 1991年8月7日(水) キャンプ場を後に、旭川へ向かう。神楽外国樹種見本林に立ち寄ったが、三浦綾子著『氷点』の舞台になったというほどの風情は感じられなかった。川村カ子トアイヌ記念館ではチセの見学をした。…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑫

北海道キャンプ旅行 出発から13日目 1991年8月6日(火) 朝5時過ぎに起きて、朝食のあと、弁当のおにぎりをつくる。好天に恵まれ、登山日和だ。層雲峡温泉の駐車場に車を置き、ロープウェイで黒岳5合目へ。そこからリフトに乗って7合目へ。入山届…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑪

北海道キャンプ旅行 出発から12日目 1991年8月5日(月) 明け方から小雨模様。帯広の平野の中を走るが、眺めはよくない。然別(しかりべつ)湖に着いた頃に、やっと雨が上がった。然別湖は日本一さざ波のきれいな湖だそうだが、確かにそう言われるだ…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑩

北海道キャンプ旅行 出発から11日目 1991年8月4日(日) 明け方から雨になった。ぐっと冷え込み、気温は12度まで下がった。仕方なく雨の中でテントを撤収することになったが、カラマツの葉がテントについてしまって難儀した。 ※(補足)移動型キャ…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑨

北海道キャンプ旅行 出発から10日目 1991年8月3日(土) 夜半まで響いていた霧笛の音が途絶えた頃、うっすらと夜が明けてきた。木の窓を押し開けてみると、なだらから草原の果てるところに波が押し寄せていた。霧が晴れている。さっそく起き出して、…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑧

北海道キャンプ旅行 出発から9日目 1991年8月2日(金) キャンプ場で雨の朝を迎えた。一路、納沙布岬へと向かう。ここは夏は海霧に隠れることが多く、過去2回いずれも霧笛を聞いて帰った。ところが雨が幸いして、半島の先端がはっきりと見えた。見え…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑦

北海道キャンプ旅行 出発から8日目 1991年8月1日(木) 朝7時30分ころに民宿を出て、知床五湖へ向かう。五湖めぐりは早朝に限る。観光バスが乗り込んでくれば、景観が半減する。それに何よりも朝は空気が澄んでいて知床の山並みがくっきりと湖面に…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑥

北海道キャンプ旅行 出発から7日目 1991年7月31日(水) 夜半にちょっとまとまった雨が降った。朝には上がっていたがテントはしっかりと濡れており、どうやら選択は正しかったようだ。朝食のあとテントの片付けをして、8時前キャンプ場を後にした。…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ⑤

北海道キャンプ旅行 出発から6日目 1991年7月30日(火) 7時朝食、7時30分出発。稚内港へ立ち寄り、一路宗谷岬へと向かう。稚内港の利尻・礼文フェリーターミナル横の岸壁に、ドーム式の防波堤がある。長さが427mもあって、ギリシャ時代の遺…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ④

北海道キャンプ旅行 出発から5日目 1991年7月29日(月) 心配していた雨も降らず、一夜が明けた。5時30分起床。朝食のあとテントを撤収し、7時10分出発。 国道40号線から問寒別(といがんべつ)川沿いに道々を10㎞ほど入っていくと幌延(…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ③

北海道キャンプ旅行 出発から4日目 1991年7月28日(日) 街灯の下にクワガタが集まっていないかと期待して息子は早く目覚めたが、一晩中雨が降っていたと聞いて、また眠った。5時30分起床、6時50分出発。 朝1番に再度キャンプ場近くのヒマワ…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ②

北海道キャンプ旅行 出発から3日目 1991年7月27日(土) 雨の中で北海道旅行は始まった。 道央自動車道の岩見沢SAで軽く朝食を食べ、旭岳へ向かう。 旭岳ロープウェイを降りると寒い。半袖のうえにトレーナーを羽織っているが、それでも寒い。傘を…

森と湖と実りの大地から ~北海道キャンプ旅行の記録~ ①

新型コロナウイルスの感染が収まらず、2回目の自粛の夏を迎えました。 時空は30年前の北海道。 1991年7月25日から8月10日までの17日間、親子4人で北海道をキャンプ旅行しました。 その折の旅行記が「森と湖と実りの大地から」です。 今夏は、30年前の旅…

アルプスの山たちを訪ねて 3-6

7月9日~10日 帰国の途に着く朝、モンブランはとびきりのプレゼントを贈ってくれました。 朝の散歩に出た6時40分ごろには、モンブランは雲の中でした。それから40分ほど経って、朝食会場のレストランのテラスで、晴れわたった青空の下でモンブラン山頂を…

アルプスの山たちを訪ねて 3-5

7月8日(その3) シャモニのレストランで昼食を摂り、13時40分ごろからは自由行動でした。 私たちは、Iさん夫妻とモンタンヴェールへ行くことにしました。 ソシュール広場からの通りの先にシャモニ・モン・ブラン駅があり、その裏にモンタンヴェール鉄道…

アルプスの山たちを訪ねて 3-4

7月8日(その2) 今日は、バスでトンネルを抜け、イタリアのポンタル・ダントレープ(1300m)まで行きます。 そこから回転ゴンドラでエルブロンネ(3466m)まで上がり、さらに3連ゴンドラで氷河の上を国境越えしてエギーユ・デュ・ミディ展望台(3842m…

アルプスの山たちを訪ねて 3-3

7月8日(その1) ホテルの部屋の窓がちょっと難しい回転式で、それを開けようとしていると、向かいのアパートのベランダで花に水をやっている老人が見えました。爺さんの毎朝の日課なんでしょうか、なかなか絵になる光景でした。 6時38分、向かいのアパ…

アルプスの山たちを訪ねて 3-2

7月7日(その3) カンデルシュテークのロープウェイ乗り場まで戻り、バスでツヴァイジンメン駅へ向かいます。 ツヴァイジンメンへ向かう車窓風景、牧草地が続く ツヴァイジンメン駅(947m) ゴールデンパス・ラインは、ルツェルン~(Zbスイス中央鉄道…

アルプスの山たちを訪ねて 3-1

7月7日(その2) 【地図説明】 7日朝、ツェルマットから電車でテーシュへ。(地図上のオレンジ線部分)テーシュからバスでゴッペンシュタインへ。(茶線)ゴッペンシュタインからカートレインでカンデルシュテークへ。(黒線)カンデルシュテークからロープウ…

アルプスの山たちを訪ねて 2-13

7月7日(その1) ツェルマット最後の朝を迎えました。 今日も晴れています。 6時30分頃から散歩に出ました。 ホテルの庭を抜けて扉を開けると、ゴルナーグラート駅のホームに通じる近道がありました。線路を横切って通りに出ると、そのままマッター・フィ…

アルプスの山たちを訪ねて 2-12

7月6日(その3) ツェルマットでの昼食はフリーになっていましたが、添乗員のOさんに予約してもらってみんなでチーズフォンデュを食べに行きました。 13時過ぎにレストランまで辿り着いた時、たまたま店の表でアルプホルンの演奏が行われていました。少…

アルプスの山たちを訪ねて 2-11

7月6日(その2) シュタッフェルのレストランから少し先にミルク小屋があって、そこで小休止をとりました。 ミルクを待っていたところへ、別の日本人パーティーがやってきました。 余談ですが、ヨーロッパの人たちの場合、ハイキングというのは山の頂上に…