教育逍遙 -小学校教育の小径をそぞろ歩き-

小学校教員として歩んできた小径が、若い仲間のみなさんの道標になることを願って…。

日本語探訪

日本語探訪(その59) ことわざ「善は急げ」

小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第16回は「善は急げ」です。 善は急げ 「善は急げ」の読み方 ぜんはいそげ 「善は急げ」の意味 よいことをするのにためらうな、の意(広辞苑) 「善は急げ」の使い方 叔父はもし私が主張するなら、私の卒業まで…

日本語探訪(その58) ことわざ「船頭多くして船山に上る」

小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第15回は「船頭多くして船山に上る」です。 船頭多くして船山に上る 「船頭多くして船山に上る」の読み方 せんどうおおくしてふねやまにのぼる 「船頭多くして船山に上る」の意味 指図する人ばかり多いため統一…

日本語探訪(その57) 故事成語「暗中模索」

小学校のうちに知っておきたい故事成語の第16回は「暗中模索」です。 暗中模索 「暗中模索」の読み方 あんちゅうもさく 「暗中模索」の意味 くらやみの中で手さぐりで捜すこと。転じて、手がかりのない物事をさがしもとめること。(広辞苑) 「暗中模索」の…

日本語探訪(その56) 故事成語「雨垂れ石を穿つ」

小学校のうちに知っておきたい故事成語の第15回は「雨垂れ石を穿つ」です。 雨垂れ石を穿つ 「雨垂れ石を穿つ」の読み方 あまだれいしをうがつ 「雨垂れ石を穿つ」の意味 同じ所に落ちる雨垂れが長い時間をかけて石に穴をあけるように、微力でも根気よく続け…

日本語探訪(その55) 特別企画「右と左の物語」⑤再び「右上位」の世界

再び「右上位」の世界 日本社会において、漢字が伝えられたころから飛鳥時代以前は、「右上位」でした。 それは、漢字とともにもたらされた中国の「右尊左卑」思想の影響でした。 いまもよく使われる「左遷」「座右の銘」「右に出る者はいない」などは、その…

日本語探訪(その54) 特別企画「右と左の物語」④「右翼」と「左翼」の世界

「右翼」と「左翼」の世界 野球では、ホームベースの位置から外野方向を見た時(キャッチャーの目線です)、1塁側の外野を「右翼(ライト)」、3塁側の外野を「左翼(レフト)」と言います。 この場合の「右翼」は、「right fielder」の訳語です。「翼」に…

日本語探訪(その53) 特別企画「右と左の物語」③「左上位」の世界

「左上位」の世界 中国では、随(581年~)・唐(618年~)の時代になると、「右」と「左」の世界観が漢の時代とは真逆になります。 陰陽五行説の流行などによって、右優位から左優位に変わってしまったのです。 「天帝は北辰(ほくしん)に座して南面す」と…

日本語探訪(その52) 特別企画「右と左の物語」②「右上位」の世界

「右上位」の世界 前回の終わりに、漢字が成立していく漢の時代は、「右尊左卑」(左は右に対して、下であり卑しい、劣るという考え)の社会であったと書きました。 「右尊左卑」(以下、「右上位」とします)の観念は、漢字そのものにも影響しましたし、漢…

日本語探訪(その51) 特別企画「右と左の物語」①「右」と「左」の成り立ち

「日本語探訪」が50回を迎えました。 子どもたちの豊かな言語生活は、教師の言語生活の豊かさに依拠します。 シリーズ「日本語探訪」は、故事成語・ことわざ・慣用句・四字熟語の周辺をそぞろ歩きします。 言葉を深く知り、自在に操れるようになれば、日本語…

日本語探訪(その50) 慣用句「鶴の一声」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第21回は「鶴の一声」です。教科書の表記は、「つるのひと声」となっています。 鶴の一声 「鶴の一声」の読み方 つるのひとこえ 「鶴の一声」の意味 権威者・有力者などの、衆人を威圧し、否応なく従わせる一言。…

日本語探訪(その49) 慣用句「竹を割ったよう」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第20回は「竹を割ったよう」です。教科書の表記は、「竹をわったよう」となっています。 竹を割ったよう 「竹を割ったよう」の読み方 たけをわったよう 「竹を割ったよう」の意味 さっぱりとした性質のたとえ。邪…

日本語探訪(その48) 慣用句「世話を焼く」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第19回は「世話を焼く」です。 世話を焼く 「世話を焼く」の読み方 せわをやく 「世話を焼く」の意味 すすんで他人のために尽力する。(広辞苑) 「世話を焼く」の使い方 余計な世話を焼く。 「世話を焼く」の語…

日本語探訪(その47) ことわざ「上手の手から水が漏れる」

小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第14回は「上手の手から水が漏れる」です。教科書の表記は、「上手の手から水がもれる」となっています。 上手の手から水が漏れる 「上手の手から水が漏れる」の読み方 じょうずのてからみずがもれる 「上手の…

日本語探訪(その46) ことわざ「三人寄れば文殊の知恵」

小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第13回は「三人寄れば文殊の知恵」です。教科書の表記は、「三人寄れば文殊のちえ」となっています。 三人寄れば文殊の知恵 「三人寄れば文殊の知恵」の読み方 さんにんよればもんじゅのちえ 「三人寄れば文殊…

日本語探訪(その45) 故事成語「圧巻」

小学校のうちに覚えたい四字熟語200語(あるHPに紹介されたものです)に含まれる36の故事成語と、私が知っておいた方がいいと思う14の故事成語、あわせて50の故事成語を取り上げていきます。 小学校のうちに知っておきたい故事成語の初回(通算第14回)は…

日本語探訪(その44) 故事成語「矛盾」

小学校3・4年生の教科書に登場する故事成語の第13回(最終回)は「矛盾」です。 矛盾 「矛盾」の読み方 むじゅん 「矛盾」の意味 事の前後のととのわないこと。つじつまの合わないこと。自家撞着(じかどうちゃく)。(広辞苑) 「矛盾」の使い方 二人の話…

日本語探訪(その43) 慣用句「心が躍る」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第18回は「心が躍る」です。教科書の表記は、「心がおどる」となっています。 心が躍る 「心が躍る」の読み方 こころがおどる 「心が躍る」の意味 喜びや新たなことへの期待によって、胸がわくわくする。(学研慣…

日本語探訪(その42) 慣用句「雲を掴む」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第17回は「雲を掴む」です。教科書の表記は、「雲をつかむ」となっています。 雲を掴む 「雲を掴む」の読み方 くもをつかむ 「雲を掴む」の意味 物事の漠然としてとらえどころのないさま。(広辞苑) 「雲を掴む…

日本語探訪(その41) 慣用句「首を長くする」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第16回は「首を長くする」です。 首を長くする 「首を長くする」の読み方 くびをながくする 「首を長くする」の意味 物事が早く実現することを待ちこがれることのたとえ。首を延ばす。(広辞苑) 「首を長くする…

日本語探訪(その40) ことわざ「猿も木から落ちる」

小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第12回は「猿も木から落ちる」です。教科書の表記は、「さるも木から落ちる」となっています。 猿も木から落ちる 「猿も木から落ちる」の読み方 さるもきからおちる 「猿も木から落ちる」の意味 その道に長じた…

日本語探訪(その39) ことわざ「転ばぬ先の杖」

小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第11回は「転ばぬ先の杖」です。教科書の表記は、「転ばぬ先のつえ」となっています。 転ばぬ先の杖 「転ばぬ先の杖」の読み方 ころばぬさきのつえ 「転ばぬ先の杖」の意味 失敗しないように、前以て用意をして…

日本語探訪(その38) 故事成語「背水の陣」

小学校3・4年生の教科書に登場する故事成語の第12回は「背水の陣」です。 背水の陣 「背水の陣」の読み方 はいすいのじん 「背水の陣」の意味 一歩も退くことのできない絶体絶命の立場。失敗すれば再起はできないことを覚悟して全力を尽くして事に当たるこ…

日本語探訪(その37) 故事成語「朝三暮四」

小学校3・4年生の教科書に登場する故事成語の第11回は「朝三暮四」です。 朝三暮四 「朝三暮四」の読み方 ちょうさんぼし 「朝三暮四」の意味 ①目前の違いにばかりこだわって、同じ結果となるのに気がつかないこと。朝四暮三。②口先でうまく人をだますこと…

日本語探訪(その36) 慣用句「狐につままれた」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第15回は「狐につままれた」です。教科書の表記は、「きつねにつままれた」となっています。 狐につままれた 「狐につままれた」の読み方 きつねにつままれた 「狐につままれた」の意味 狐にばかされた時のように…

日本語探訪(その35) 慣用句「借りてきた猫」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第14回は「借りてきた猫」です。教科書の表記は、「借りてきたねこ」となっています。 借りてきた猫 「借りてきた猫」の読み方 かりてきたねこ 「借りてきた猫」の意味 ふだんと違って、非常におとなしいありさま…

日本語探訪(その34) 慣用句「雷が落ちる」

小学校3・4年生の教科書に登場する慣用句の第13回は「雷が落ちる」です。教科書の表記は、「かみなりが落ちる」となっています。 雷が落ちる 「雷が落ちる」の読み方 かみなりがおちる 「雷が落ちる」の意味 大声でどなり叱られる。(広辞苑) 「雷が落ち…

日本語探訪(その33) ことわざ「弘法にも筆の誤り」

小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第10回は「弘法にも筆の誤り」です。 弘法にも筆の誤り 「弘法にも筆の誤り」の読み方 こうぼうにもふでのあやまり 「弘法にも筆の誤り」の意味 その道に長じた者にも、時には誤りや失敗があるというたとえ。「…

日本語探訪(その32) ことわざ「河童の川流れ」

小学校3・4年生の教科書に登場することわざの第9回は「河童の川流れ」です。教科書の表記は、「かっぱの川流れ」となっています。 河童の川流れ 「河童の川流れ」の読み方 かっぱのかわながれ 「河童の川流れ」の意味 水中に自由自在に活躍する河童も、時…

日本語探訪(その31) 故事成語「蛇足」

小学校3・4年生の教科書に登場する故事成語の第10回は「蛇足」です。 蛇足 「蛇足」の読み方 だそく 「蛇足」の意味 あっても益のない余計な物事。あっても無駄になるもの。蛇をえがいて足を添える。じゃそく。(広辞苑) 「蛇足」の使い方 「蛇足ながら申…

日本語探訪(その30) 故事成語「他山の石」

小学校3・4年生の教科書に登場する故事成語の第9回は「他山の石」です。 他山の石 「他山の石」の読み方 たざんのいし 「他山の石」の意味 自分の人格を磨くのに役立つ他人のよくない言行や出来事。(広辞苑) 「他山の石」の使い方 文学者の文学論、文学…